劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ/作品レビュー
<放送媒体・期間>
劇場公開作品
2018年2月9日公開
<あらすじ>
地球人類は巨人型異星種族ゼントラーディーとの戦争・交流により銀河系全域へと生活圏を広げていった。その後も様々な異星種族との交流・共存を成功させていったが、地球新統合政府の強引な圧力によって結ばれた和平もあるのが現実だった。
西暦2067年。銀河系各地で謎の奇病「ヴァールシンドローム」が発生。人間の自我を奪い凶暴化させるこの病に対して医術的な解決策を見いだせないでいたのだが、特定の歌い手が歌うことによって鎮静化させることが判明。」これに伴い戦術音楽ユニット「ワレキューレ」が誕生する。
銀河辺境の惑星アル・シャハル。ワレキューレを守護する「Δ小隊」の新人パイロットのハヤテ・インメルマンは、ヴァールシンドロームに犯され民衆の暴動の最中、ワレキューレに憧れる少女フレイア・ヴィオンと出会う。
<おすすめポイント>
- TVアニメ「マクロスΔ」の一部設定を変更し追加シーンを加えた総集編的な作品。TV版では1クール予定から2クールへの変更に伴うテンポの悪さが目立ったが、本作では改善されている。
- ワレキューレのライブシーンと終盤の活躍は楽しめた。マクロスらしく全編歌にあふれている。新曲やTV版とは異なるアレンジ曲も良かった。ごく自然にミュージカル映画を見ている感覚だった。
- 空中戦主体の戦闘シーンは圧巻の一言。マクロスシリーズのファンとしては、アーマードバルキリーの活躍は嬉しかった。
<おすすめしないポイント>
- 基本的な流れはTVシリーズと一緒。
- マクロスシリーズのテーマの一つ「三角関係」が機能していない。元々TVシリーズでも弱かったが、駆け足気味の本作ではより強調されてしまっている。
- TVシリーズと違いハヤテとフレイアを中心に描かれておらず、「マクロスΔ」全体の総集編的なアプローチとなっている。主要なイベントはすべて組み込まれているもののダイジェスト感は否めない。2部作で制作されたら完璧な作品になったのではないだろうか。