シドニアの騎士(漫画)/作品レビュー
<著者>
弐瓶勉
<発表媒体・期間>
講談社・月刊アフタヌーン 2009年6月号~2015年11月号
コミックス 全15巻
<あらすじ>
異生物「奇居子(ガウナ)」によって絶滅の危機に瀕した人類は、小惑星を改造した巨大宇宙船「シドニア」にて地球を脱出。植民可能な惑星を探す逃避行を開始した。
それから1000年。シドニアの最下層部、祖父を失ったため一人で生活していた少年・谷風長道は食料を探すため上層部へ向かう。そこで目にしたのは祖父以外の人間たちと、対ガウナ防衛を第一とするシドニアの社会だった。谷風は人型兵器「衛人」の操縦士訓練生として抜擢されガウナと戦う決意をするのだった。
<おすすめポイント>
- 異生物ガウナと人類の種の存続をかけた戦いに巻き込まれる谷風長道、そして人型兵器「継衛」の活躍を描いた漫画。未来の宇宙を舞台に描かれており、緻密なSF考証は他のロボット漫画作品とは一線を画す。宇宙空間の戦闘とはこういうものかと納得させられる。
- 次々に人が死んでいく悲壮的な物語だが、主人公の天然ボケによって癒されるシーンによって緩和されている。特に谷風がボコられる場面が多くて笑える。
- 緊迫した戦闘と日常を描いたシーンのバランスが絶妙。谷風長道の青春恋愛物語も面白いし、ガウナとのハードなSF戦闘シーンも楽しい。
<おすすめしないポイント>
- キャラクターの顔の判別がしづらい(人もロボットも)。特に谷風長道と科戸瀬イザナは髪型を明確に区別してほしかった。
- 結局謎のままで終わってしまう点もある。特にガウナの存在については分からないまま。