機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト/作品レビュー
<著者>
長谷川裕一
代表作 「飛べ!イサミ」「機動戦士クロスボーン・ガンダム」 他多数
<発表媒体・期間>
ガンダムエース 2012年~2016年
コミック 全12巻
<あらすじ>
宇宙世紀0153年。地球連邦政府は長く続く平和によって衰退の一途をたどっていた。各サイド(宇宙のスペースコロニー群)は地球連邦政府に頼らない独自の軍隊を組織。小規模な紛争が頻繁に起こる「宇宙戦国時代」に突入していた。そんな中、サイド2のザンスカール帝国は地球侵攻を開始。地球連邦軍およびゲリラ組織リガ・ミリティアとの戦争状態になっていた。
サイド3で暮らす学生フォント・ボーは、ネット検索中に偶然たどり着いたザンスカール帝国の決戦兵器資料の秘密を知ってしまい帝国から命を狙われる身になってしまう。呆然とするフォントの前に木星から来た「蛇の足」と名乗る組織が現れる。彼らのモビルスーツはかつて宇宙海賊クロスボーン・バンガードが使用していたクロスボーンガンダムであった。
<おすすめポイント>
- 「機動戦士クロスボーン・ガンダム」(正確には「鋼鉄の7人」)の続編。TVアニメ「機動戦士Vガンダム」と同じ時系列で展開するストーリー。謎の兵器を持ち出して地球に向かう木星の一派とそれを追う蛇の足。ザンスカール帝国の地球侵攻とそれに立ち向かうリア・シュラク隊。そして帝国に取り入ろうとする木星の特殊部隊「サーカス」。
- 主人公フォントの住んでいるコロニーはジオン共和国のあったサイド3であり、ザンスカール帝国とリガ・ミリティアの戦争の渦中であったりと宇宙世紀シリーズとのリンクが随所に。もちろんVガンダムやゾロアットなどのモビルスーツも活躍する(一年戦争のザクまで登場)。
- ガンダムシリーズでは珍しいメガネ男子の主人公フォント・ボー。典型的な巻き込まれ方だが、ザンスカール帝国の非道な行いを目の当たりにして自主的に戦争に参加するようになる。
- 「機動戦士Vガンダム」に登場したフォンセ・カガチや「機動戦士ガンダムF91」に登場したシーブック・アノーなど宇宙世紀シリーズの重要人物がゲスト出演する。
<おすすめしないポイント>
- クロスボーン・ガンダムシリーズも4作目となるため前作までの知識を入れておく必要がある。本作から読み始めるのはおすすめできない。また、完全に楽しむにはTVアニメ「機動戦士Vガンダム」も見ておいたほうが良い。
- 他のガンダム漫画と見比べるとメカ描写は見劣りしてしまう。